産業廃棄物とは?|産業廃棄物の定義と廃棄物の種類について
みなさんこんばんは。
当サイトエコフリーの記事をご覧いただきありがとうございます。エコフリーは、産業廃棄物業界に就職したばかりの新入社員の方や、総務課に配属になり廃棄物を担当することになった人に向けた廃棄物を理解するための情報サイトです。
少しでも有益な情報をみなさんにお届けできるよう頑張っていきますのでよろしくお願いします。
さて、今回のテーマは産業廃棄物についてです。産業廃棄物は、会社の社長さんや総務課の担当者さん、廃棄物業界や建設・解体業界に勤める方でないとなかなか馴染みのない言葉になると思います。
それでも産業廃棄物や一般廃棄物など、廃棄物に関しての知識をしっかり持っておくことは会社のリスク管理にも、経費削減にも役に立つ重要な情報になっています。
廃棄物業界に勤めている者の一人として、産業廃棄物についてしっかりと理解してもらえるよう頑張ります。
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目次
産業廃棄物とは?|産業廃棄物の定義と廃棄物の種類について
まずは産業廃棄物の定義についてお伝えします。といきたいところですが、その前に廃棄物とは何かについてお伝えしなくてはなりません。廃棄物の世界では世の中にあるものを2つに分類できると考えています。それが廃棄物と有価物です。
廃棄物は当然不要なものです。言い換えればお金を払ってでも処分したいものとなります。対して有価物とは必要なものとなります。こちらはお金を払ってでも手に入れたいものと考えることができます。
産業廃棄物とは?|産業廃棄物の定義
産業廃棄物とは、不要なもの=廃棄物=お金を払ってでも処分したいもの、の中で企業の事業活動に伴って生じた廃棄物のことを指します。この産業廃棄物に対応するのが一般廃棄物です。一般廃棄物は日常生活に伴って生じた廃棄物のことを指します。
廃棄物業界をややこしくしているのが、企業の事業活動に伴って生じた廃棄物の全てが産業廃棄物とはならない点です。
事業活動が指す範囲はいわゆる本業となっていて、事務所などから出る紙ごみやお弁当のごみなどは産業廃棄物ではなく事業系一般廃棄物と区分されています。
最初にざっくりとイメージを付けていただきたかったので、事業活動に伴って生じた廃棄物=産業廃棄物としました。ただ、この事業活動は本業のことという理解をしておく方が無難です。
これらをまとめると、産業廃棄物とは事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、廃棄物の発生量やその廃棄物の性質から、法律や政令で定めたもののことで、産業廃棄物に該当しない廃棄物は一般廃棄物として取り扱うということになります。
それでは、法律や政令で産業廃棄物と定められている廃棄物にはどのようなものがあるのか紹介していきます。
産業廃棄物の種類について
産業廃棄物にも大きく分けて2種類の廃棄物があります。また、全ての産業廃棄物は20種類の中のどれかにあてはまります。
さらに、今回は触れませんが、産業廃棄物それぞれが一定の条件で特別管理産業廃棄物となることもあります。
まずは、事業活動に伴って生じた廃棄物=会社から出るごみ、であれば問答無用で産業廃棄物となる廃棄物と、いわゆる「本業」が定められていて、会社から出るごみであっても「本業」でなければ産業廃棄物にはならない=事業系一般廃棄物となる廃棄物です。
この「本業」も法令等で定められていて指定業種と呼んでいます。
指定業種のない=問答無用で産業廃棄物となる廃棄物の種類
- 燃え殻
- 汚泥
- 廃油
- 廃酸
- 廃アルカリ
- ゴムくず(天然ゴムのみ)
- 金属くず
- ガラスくず及び陶磁器くず、コンクリートくず
- 鉱さい
- 廃プラスチック類
- がれき類
指定業種のある=「本業」以外は事業系一般廃棄物となる廃棄物の種類
- 紙くず
「本業」の例)建設業、パルプ・紙・紙加工品の製造業、新聞業、製本業、印刷物加工業など - 木くず
「本業」の例)建設業、木材・木製品の製造業、パルプ製造業、輸入木材の卸売業など - 繊維くず
「本業」の例)建設業、繊維工業 - 動植物性残渣
「本業」の例)食料品製造業、医薬品製造業、香料製造業 - 動物のふん尿
「本業」の例)畜産農業 - 動物の死体
「本業」の例)畜産農業 - ばいじん
「本業」の例)集じん施設によって集められたものなど - 動物系固形不要物
「本業」の例)と畜場など - 処分するために処理したもの
「本業」の例)産業廃棄物処分業者など(廃棄物を処分するために処理したもの)
廃棄物の区分は明らかに事業活動に伴って生じた廃棄物と判断されるものが指定業種のない産業廃棄物とされていて、一般家庭からも出る可能性のある廃棄物については指定業種のある産業廃棄物とされています。
指定業種についてもやや大雑把な区分けになっているので、会社の業種によっては産業廃棄物と事業系一般廃棄物のどちらになるのか分かりにくい廃棄物もあったりします。この辺りの判断は管轄する都道府県や政令指定都市によって変わってしまうこともあるので、事前にしっかり確認しておかないと大変なことになる可能性もあります。
産業廃棄物の種類をなぜ決めなければならないのか?
どのような状態の産業廃棄物でも収集運搬や処分する場合には廃棄物の種類を決めなくてはなりません。その一番の理由は産業廃棄物の収集運搬や処分を「業として=お金を稼ぐため」に行う場合には、必ず許可が必要になるからです。
この産業廃棄物の収集運搬や処分を行うための許可は産業廃棄物の種類ごとに取らなくてはならないと廃掃法でも定められています。
また、産業廃棄物の収集運搬や処分を「委託=お金を払ってやってもらう」ためには必ず契約を書面で交わさなくてはなりません。通常の取引であれば、契約を書面で交わすのは必ずしも必要にはなりません。口約束であっても立派な契約となります。一般的には金額の大きい取引や年単位の契約など期間の長い取引を書面で交わすことになると思います。そうしないと管理業務がパンクしてしまうからです。
しかし、産業廃棄物に関しては書面での契約が完了しないと収集運搬や処分を行ってはいけないと法令等で定められています。これは不法投棄など、産業廃棄物にはどうしても問題が起こり得る可能性が付きまとってしまうのが原因です。
仮に処分にかかる費用が1000円で1回だけのスポットの取引であっても、契約書は書面で交わさなければならないのです。
大きな企業になればなるほど、このあたりの事務作業が大変になるので、産業廃棄物の収集運搬や処分の業者はしっかり選んでおいた方が後々楽になることも多いです。契約書さえ交わしていれば見積書の提示だけでも対応できる場合が多いので、大企業の総務担当者さんにとっては値段だけで廃棄物処理業者を選ぶのはリスクが高くなりやすい一方で、産業廃棄物のコストダウンを行う時に身動きが取りづらくなってしまうことがあるかもしれません。
昔がどうだったかは分かりませんが、今は楽して儲けることは非常に難しくなっています。廃棄物の処理コストを下げることも企業にとっては重要な戦略となっているはずです。
このような状況から、廃棄物業界・産業界を問わず様々な提案やサービスが起こり、よりよい状況に向かっていくための1つの助けに当サイトがなれればと私は考えています。
それでは今回はここまでです。最後までご覧いただきありがとうございました。
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