産業廃棄物処理施設の限界能力を決める律速段階について
産業廃棄物処理施設の限界能力を決める律速段階について
律速段階とは化学反応などでよく用いられる言葉です。産業廃棄物の処理施設の能力は施設全体での能力を表すので、一連の処理過程の中で最も処理速度が遅い箇所の能力が施設全体の処理能力となります。
律速段階のイメージを簡単にするのは桶を想像してもらうのが分かりやすいと思います。汚泥の脱水処理施設を例に考えてみましょう。
汚泥の脱水処理施設には汚泥を送るポンプと汚泥を脱水する脱水機が少なくともあるはずです。
仮にこの汚泥を送るポンプの能力が10㎥/日、汚泥の脱水機の能力が15㎥/日だったとします。
すると、施設全体の汚泥の脱水能力は10㎥/日となります。
脱水機の能力がいかに高くても、脱水機まで汚泥を送るポンプの能力が低ければ、施設全体の処理能力は汚泥を送るポンプの能力に依存してしまいます。これが律速段階です。
桶のイメージとは廃棄物処理施設の能力を桶の横側の板と考えると分かりやすいです。
桶に水を入れようとしても、一番低い横板の部分から水が溢れ出てしまいます。廃棄物処理施設の能力は1つの機械の性能では決まらず、それぞれの機械が関係し合っているため、最も低い能力値に落ち着く形となります。
施設の能力を底上げするのであれば、最も能力の低い機械を変更するのが最も効果的です。
廃棄物処理施設の能力が変わる場合には変更届などが必要になる場合があるので、好き勝手に処理能力を増強できるわけではないことに注意が必要です。
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