廃掃法で定められている排出事業者の責任について
廃掃法で定められている排出事業者の責任について
廃棄物を排出する排出事業者の責任は、産廃に不法投棄や不正処理が付いて回る以上年々強化されていきます。
記憶に新しいのは外食産業の食品廃棄物が再度市場に出回ったことですが、この事例がなぜ問題となるか疑問に思った方もいるかもしれません。「食品を廃棄するなんてもったいない」「安く販売して有効利用するならいいのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、一番の問題は「処理を委託した廃棄物が市場に出回ったこと」です。
大手外食チェーンが食品を廃棄する際には廃棄物処理企業と産業廃棄物収集運搬及び処分の契約書を締結しているはずです。そして、産業廃棄物の処理内容には「再販売」という項目はありません。廃棄費用を抑えるために再販売するのであれば、外食産業自身で行うことも可能ですし、大手外食チェーンなら直接スーパーなどと提携して卸をすることも可能なはずです。
にも関わらず廃棄を選択したということは市場に出す価値がないものとなったと外食産業が判断したということであり、廃掃法で定められている処理基準を守り、適切に処理してもらうことを期待して廃棄物処理業者に処理の委託をしています。また、この委託の際に料金も発生しているのでその支払いもしているはずです。
市場に出回らないはずの商品が流通したとなると外食産業のイメージが大幅に下がります。再販売が企業にとってのリスクになると判断したからこその廃棄処分だったのです。
難しいのは、廃掃法ではこういった場合でも排出事業者に責任があるとしているところです。
今回のケースでは排出事業者は被害者と言っていい内容だったと思いますが、廃棄物処理業も商売ですから排出事業者から無理を言われた場合にもある程度対応する必要が出てきます。あくまでも廃棄物の収集運搬と処分を委託するのは排出事業者なので、廃棄物処理業者は仕事を受注する形になっています。排出事業者側がこの立場上の優位性を利用して不正な値引きなどを行わないよう、廃掃法では排出事業者に全責任があるとしているのです。
それでは今回はここまでです。最後までご覧いただきありがとうございました。
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